音響パワーイコライザ APEQ-2pro

僕のスタジオにある機材の紹介をいくつかしていこうと思います。


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この名前だけ聞いても何の事かわからないと思いますので、音響に詳しくない人にも分かるように、
できるだけ分かりやすく説明します。

イコライザーとは?

イコライザーとは、音の周波数(高い音、低い音、その間の音、少し高めの音等)ごとにボリュームを
変えられるものです。

一般的に高い音をハイ、低い音をロウ、その間の音をミッド、ハイとミッドの間をミッドハイ、ロウとミッドの間を
ロウミッドと呼んでいます。これをひっくるめて周波数帯域と呼んでます。ボーカルをもう少し目立たせたいので
あればミッドを上げて、重低音にしたければ、ロウを上げます。 ITUNEのなかに付いているイコライザーも同じ意味です。

聴く場所によって音が違って聞こえる話

同じCD、同じCDプレーヤーを使って、部屋で聴くのと、ホールで聴くのと、クラブで聴くのと、外で聴くのと
音が違って聴こえますよね。音は波の形をしていて一直線に飛びます。私たちは、スピーカーから直接
耳に入る音と、壁に反射して耳に入ってくる音を聴いています。

なので、当然壁の形や、素材によって聴こえる音はハイや、ミッドやロウのボリュームが変わってきます。
音の波が、並行した壁に反射を繰り返し、さらに波の山と谷の部分がちょうど重なってしまうと、音が
消えたりします。

ということで、音を作る側の人間が聴くスピーカーの環境はどの帯域もボリュームが大きくてもいけないし
小さくてもいけません。0でなければいけません。
全帯域が0である事をフラットと言います。

APEQ-2proとは?

話をもとに戻して、音響パワーイコライザ APEQ-2proはどういう機械かというと、帯域にハイ、ミッドハイ、ミッド、ロウミッド
、ロウと5つ紹介しました。これを5バンドあると言います。この機材は4096バンドあります。半端ない数ですよね。
帯域4096箇所のボリュームを測定により自動的に限りなく0に調整してくれる機械なのです。この機材が発売
されるまで、多くのスタジオは設計から壁等の素材に莫大なお金をかけてきたと思われますが、この機材によって
一気に解消されてしまうのです。ミックスエンジニアとしては、とても安心してかつ信頼して聴くことができます。

上のグラフの見方ですが、緑色の線が補正前、白色の線が補正後です。横軸が周波数帯域、左からロウ。
右に行くにつれて音が高くなりハイに近ずいていきます。縦軸がボリュームです。

実際に僕のスタジオで行った測定時の結果でなんですが、すごい左の方、ロウのほうが全く音が鳴ってないと
思われますが、人間の耳では聴こえない部分でもあります。僕のスタジオで使っているYAMAHA NS10M
なんですが、このスピーカーはまさにグラフのようにすごい下の低音に耐えられない構造になっています。
ま、そんなにミックス上、問題ではありません。なぜなら、一般家庭で聴くスピーカーも、このYAMAHA NS10M
が最も近いと言われているからです。作る側のスピーカーは一般のスピーカーにより近く、さらにフラットな音を
聴きながらミックスする事がベストだと思っています。

導入後、実際にミックスのレベルがあがったと、クライアントからのメッセージを頂いております。
この機材は映画の音を作るスタジオや、コンサートホールなど海外でも続々と導入されてきています。
詳しくは、http://www.realsoundlab.jp/archives.html